戦略大作戦 =イーストウッド集中講座(4)=
戦略大作戦(1970)
Kelly's Heroes
1970年と言えば私が洋画を見るようになった直前の作、名画座ならまだまだ十分新しい部類の映画としてお目にかかれたはず。
にもかかわらず当時の評判などまったく記憶がない。
イーストウッドの経歴を遡る上でもあまり話題に上らない。
ところが今回ビデオを手に取ってみると、テリー・サバラス、ドナルド・サザーランド競演となかなかの豪華キャスト。
それに2時間20分となにやら大作風。
隠れた名作の期待半分、いぶかしさ半分で見た。
冒頭ドイツ人将校を奪取するあたり本格的な戦争アクションかと思いきや、サバラスが仲間の誤爆をなじり出して、どうも様子が違う。
ほどなくイーストウッドがドイツ軍の金塊の存在を知り、任務を放り出して部隊のみんなで強奪しようとし出して、基本線がコメディーなのが明らかになる。
ところが、その後も爆発、戦闘シーンは本格的戦争アクションの趣。
どうしても必要とも思えないのに田舎道に軍用車が並ぶシーンなど見ると、金がかかってるのがよくわかる。
しかし、コメディーなのに背景のディティールを作り込んであって見事と言うよりは、焦点が絞れてない印象。
そもそも戦時下に、いかに絶対悪のドイツ軍と言えど相手の金品を強奪、私服を肥やすってのには共感しにくい。
泥棒を主人公とする映画は数多いが、あれにはお洒落さが不可欠だし、虚構であることを宣言する何かが必要だ。
この映画のリアルさはそれとは縁遠い。
アンチヒーローを描く時代の空気の影響を受けているのだろう。
かと言ってサザーランドのもう1本の70年作の映画、"MASH"のように徹底的に戦争を茶化してその馬鹿馬鹿しさをあぶり出すわけでもない。
それにやはりマカロニの主人公の影も引きずっている。
銀行を守るドイツ兵との直接交渉に3人が赴くシーンはあきらかにマカロニのパロディ、ラロ・シフリンの音楽も達者にモリコーネ風味を取り込んで笑わせる。
先にドイツ軍は絶対悪と言ったけど、この兵士と言い、冒頭の将校と言い、ユーモラスで、やはりそれまでのハリウッド映画とは少し違う。
しかし全体として散漫な印象は否めない。
2時間20分はいかにも長い。
1時間40分ぐらいにまとめることは可能だと思う。
そうすればテンポも上がって随分印象は違ったかも知れない。
イーストウッドにとっては一匹狼ではあってもそれなりの正義を持つ、ハリー・キャラハンにたどり着くための通過点に過ぎず、サザーランドも順序はどちらが先かはわからないが、よりハチャメチャなMASHにおいてこそ光っている。
歴史の下した判定は正しかったようだ。
名が残っていないのにはそれなりの理由があるようだ。
邦題も悪いがね。
2011年以降「イーストウッド集中講座」は祝祭日に掲載予定です
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癖のある奴ばかり集めすぎだな。【H】テリー・サバラス、ドナルド・サザーランド競演となかなかの豪華キャスト。
テリー・サバラスが常識人の役なのはめずらしいが、面白くは無い。
イーストウッドは、基本的に荒野の用心棒のキャラクターを継承していると思えるが、がめつい奴というイメージが希薄で、命がけで金の延べ棒を取りに行くのが、しっくりこないな。【H】ほどなくイーストウッドがドイツ軍の金塊の存在を知り、任務を放り出して部隊のみんなで強奪しようとし出して、基本線がコメディーなのが明らかになる。
そうなんよね、街に着くまでに仲間を失うシーンのしんみりした感じが、やろうとしていることにそぐわないんだよな。【H】しかし、コメディーなのに背景のディティールを作り込んであって見事と言うよりは、焦点が絞れてない印象。
火事場泥棒だもんな。【H】そもそも戦時下に、いかに絶対悪のドイツ軍と言えど相手の金品を強奪、私服を肥やすってのには共感しにくい。
もしかしてアメリカでは火事場泥棒はそれほど悪ではない?
その点、ヒッチコックの「泥棒成金」はさすがだよね。【H】泥棒を主人公とする映画は数多いが、あれにはお洒落さが不可欠だし、虚構であることを宣言する何かが必要だ。
将軍の描写なんかは、そのセンを狙っているように見えるけどね。【H】アンチヒーローを描く時代の空気の影響を受けているのだろう。
かと言ってサザーランドのもう1本の70年作の映画、"MASH"のように徹底的に戦争を茶化してその馬鹿馬鹿しさをあぶり出すわけでもない。
ラロ・シフリンて初めて聞いたけど、有名な人なの?【H】それにやはりマカロニの主人公の影も引きずっている。
銀行を守るドイツ兵との直接交渉に3人が赴くシーンはあきらかにマカロニのパロディ、ラロ・シフリンの音楽も達者にモリコーネ風味を取り込んで笑わせる。
「ビジネスはビジネスさ、話の分かる奴かもしれないじゃないか」というクラップゲームは面白いキャラクターだが、ウダウダしゃべりすぎ。【H】先にドイツ軍は絶対悪と言ったけど、この兵士と言い、冒頭の将校と言い、ユーモラスで、やはりそれまでのハリウッド映画とは少し違う。
その中でイーストウッドが、仲間に誘う時の会話
クラップゲーム「で、金はどこにある?」
イーストウッド「銀行だ」
クラップゲーム、不審そうに「なに?」
イーストウッド「敵地のな」
クラップゲーム、ニヤリとして「perfect crime」
字幕は「それはいい」とかなんとかだったと思うけど、これは「完全犯罪」と言う意味なのかな?
そうだとすると、何かそぐわないような気もするが…
全く持って同感。【H】しかし全体として散漫な印象は否めない。
2時間20分はいかにも長い。
1時間40分ぐらいにまとめることは可能だと思う。
そうすればテンポも上がって随分印象は違ったかも知れない。
ウキによれば、MASHの方が公開は先らしい。【H】イーストウッドに取っては一匹狼ではあってもそれなりの正義を持つ、ハリーキャラハンにたどり着くための通過点に過ぎず、サザーランドも順序はどちらが先かはわからないが、よりハチャメチャなMASHにおいてこそ光っている。
でもこちらの方が大作っぽいから、撮影時期はもしかすると先かもね。
サザーランドが出ていたのでMASHのヒットを意識して、戦争のバカバカしさを強調する編集にしたのかもね。
その為、よけいにピントがぼやけた散漫な映画になったのかもしれない。
1969年の「空軍大戦略」にあやかったのかな?【H】邦題も悪いがね。
こいつは小学生の頃見に行った記憶があるから、日本では評判だったんじゃないかな。
ところで原題の「Kelly's Heroes」もなんか変だよね?
「ケリーの英雄達」?
イーストウッドは、ドナルド・サザーランドにすっかりくわれたな。
この時の印象が良かったので、30年後のスペース・カーボーイで声をかけたのかな?
サザーランドの役名「オッドボール」って何か意味あるのかな?
「クラップゲーム」も何か意味ありそうな名前だし。
そうやねんなあ。【A】イーストウッドは、基本的に荒野の用心棒のキャラクターを継承していると思えるが、がめつい奴というイメージが希薄で、命がけで金の延べ棒を取りに行くのが、しっくりこないな。
我々が後年のイメージに支配され過ぎなのかも知れんけど、どうも違和感がある。
他ならぬダーティハリーシリーズの他、燃えよドラゴン、ブリットなどを手がけてる。【A】ラロ・シフリンて初めて聞いたけど、有名な人なの?
テレビでもスパイ大作戦、0011ナポレオンソロ、刑事スタスキー&ハッチ、それに猿の惑星もやってるよ。
完全犯罪です。敵陣の銀行ならドサクサに紛れれば罪に問われることはないってことだろう。【A】字幕は「それはいい」とかなんとかだったと思うけど、これは「完全犯罪」と言う意味なのかな?
そうだとすると、何かそぐわないような気もするが…
しかし、考えてみると英語も日本語もおかしいよね。
犯罪自体がマイナスイメージ、ならば犯罪として完全なのはとことんマイナスなもの、例えばもっとも残忍なものじゃないか?
捕まらないのが完全犯罪なら、捕まったのは不完全犯罪?
なんか捕まらないのがえらいみないな変な感じ。
確かに彼のキャラクター設定はMASHと重なるなあ。【A】サザーランドが出ていたのでMASHのヒットを意識して、戦争のバカバカしさを強調する編集にしたのかもね。
それしか訳せない。【A】ところで原題の「Kelly's Heroes」もなんか変だよね?
「ケリーの英雄達」?
後ろが複数だから"'s"が"is"の短縮形ってのもあり得ないし。
「奇妙な奴」らしい。【A】サザーランドの役名「オッドボール」って何か意味あるのかな?
サイコロゲームの一種らしい。「クラップ」だけだと「クソ」とかの意味。【A】「クラップゲーム」も何か意味ありそうな名前だし。
何を意図してるのかよくわからないね。
この役名もなにやらMASHに通じるね。


