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宮崎駿引退撤回?

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NHKで引退後の宮崎駿を追ったドキュメンタリーを観た。

宮崎駿は「長編はもう作らない。これからはジブリ美術館で上映する短編を作る」と言ってた。

このドキュメンタリーも最初はそうだった。
短編を作るのに初めてCGアニメータと組んで仕事をする宮崎。
やってもやってもCGアニメータは宮崎の求める味がでない。
スタジオジブリはガランとしている。
沢山いたアニメーター達は宮崎の引退宣言後解雇されていたのだ。
その事務所で少数のCGアニメータが細々と仕事をしている。
宮崎に怒られながら。

短編はようやくヤマを越えたある日、宮崎はジブリの鈴木プロデューサに長編映画の企画書を見せる。
完成は2019年。
そして「鈴木さんはどんな錬金術を使っても良いからこの映画の資金を集めてください」などと言う。
宮崎の引退にさんざん反対したであろう鈴木は「宮さんが絵コンテだけ描いて死んでくれたら、大ヒットなんだけどな」と皮肉を言う。

とはいえ鈴木プロデューサは、企画を進めるだろう。
このドキュメンタリーは格好の宣伝になったはずだ。

宮崎の引退宣言の時に「ヤメルヤメル詐欺」だと言った人がいたけど、その通りだな。


ジブリを解雇されたアニメーター達は各スタジオに散って、業界全体のレベルアップに寄与しているらしい。
大ヒットした『君の名は。』や感動的な『この世界の片隅に』の質の高さは、彼らのもたらしたレベルアップに支えられているらしい。

今、宮崎が長編を作るといっても、そう簡単に人は集まらないだろう。
鈴木は「だからとめたのに」と思っているだろう。
しかし宮崎もそんなことは百も承知だから、CGアニメで習作を作り、使える目処が立ったのかもね。

製作が開始されるかどうかは、まだまだ分からないけど、宮崎と彼の企画の行く末がちょっと気になる。

企画書の予定通り進めば、完成時に宮崎は78歳、我々は61歳になる。

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テーマ : スタジオジブリ
ジャンル : 映画

『風立ちぬ』 =宮崎駿回顧(11)=ネタバレ

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12月22日にHと『風立ちぬ』を観に行った。

Hは2回目、私は3回目だった。

「宮崎駿の引退」で触れた「答え」を言語化するために。


宮崎駿の引退(9/14)
http://spacecowboys33.blog130.fc2.com/blog-entry-1730.html

宮崎駿は本作を作る際に奥さんから「兵器を作った人の映画を作るんですか?」と聞かれたという。
「僕はこの問いに映画で答えなくちゃならない」
8月31日に見終わった後、私は宮崎駿の「答え」をしかとは受け取れなかったんだ。
9月6日の金曜日会社帰りにレイトショーで2回目の鑑賞。
今度は、少しその「答え」が受け取れたような気がした。
でも、今はまだうまく言語化できない。


その後宮崎駿の過去作を回顧しながら、「風立ちぬ」ことを色々考えた。
それは最近の記事にもちょこちょこ顔を出した。

まずは、ストーリーをたどりながら、それにも触れていこう。

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テーマ : スタジオジブリ
ジャンル : 映画

『ハウルの動く城』 =宮崎駿回顧(10)=ネタバレ

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引退を発表した宮崎駿の過去作を回顧していく。


最後は、西洋風ファンタジーに回帰した




ハウルの動く城 (2004)


山際のなだらかな傾斜の牧草地に羊の群れ。
山は霧に覆われている。
その霧の中に動く影、ガシャン、ギギーッという機械音。
霧が流れ、動く城が通り過ぎるのが見える。

上空を飛ぶ戦闘機の一群。
物悲しい音楽が流れ、ここでタイトル

ハウルの動く城

パンダウンして黒い煙を吐く煙突群。
これもまた黒い煙を吐きながら進む汽車。
線路の両脇には欧州の町並、荒れ地にある町だ。
その汽車の煙が窓の外を流れる一室で帽子を縫う少女。
主人公のソフィーだ。

街は軍隊のパレードで沸いている。
それを見に行く他の姦しい少女達とはソフィーは少し違うタイプのようだ。
落ち着いてはいるが、感受性が乏しく老人のようだ。

華やかな表通りを避け裏道を行くソフィーは魔法使いハウルに出会う。
ハウルは追われていて、ソフィーを隠れ蓑にしようとしたのだ。
黒いぶよぶよしたゴム人間の一群が襲ってくる。
ハウルはソフィーをつれて空中へ逃れる。
空中を歩くハウル。
今までのナウシカや豚とはまた違った飛行シーンだ。

人の噂、ファッション、空を行く飛行船、色々なものが戦時を感じさせる。

ハウルを追ってたのは荒地の魔女で、ソフィーの帽子屋にやってくる。
荒地の魔女はソフィーに呪いをかけ老婆にし、ハウルへの伝言を託し去る。
老人の精神を持つソフィーの見た目を老婆に変えてしまったのだ。

寓話的な展開。

この後、ソフィーの姿は、老婆になったり若返ったり変化する。
それがどんな意味を持つのかも探りながら追いかけてみよう。

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テーマ : ジブリ
ジャンル : 映画

『千と千尋の神隠し』 =宮崎駿回顧(9)=ネタバレ

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引退を発表した宮崎駿の過去作を回顧していく。


第九弾は、日本での興行成績歴代一位を守り続けているあの映画




千と千尋の神隠し (2001)


一言で言うと「女の子が不思議な世界に迷い込み帰ってくる」という民話的なお話。

そうこれは、和製「不思議の国のアリス」なのだ。

引越し先へ向かう一家
道を間違えて山の中の不思議な建物にたどり着く
長いトンネルのような門
抜けると待合室のような部屋
それを抜けるとカルスト台地の野原
気味の悪い風がうなり千尋はこわい
小川を渡り両親はずんずん進む

猥雑な町並み
階段の両脇に昔の観光地の盛り場のような店
金比羅山の参道に似ている
どこか現実味が無く夢の中の風景のようにアンバランス
台湾の屋台のような食べ物屋
街に人影はない

ここはディズニーやハリーポッターのように綺麗な包装紙に包まれた絵本のような世界ではない。
子供の頃持っていたもっと根源的な不安を掻き立てる世界。

このゾッとする感じは宮沢賢治の童話や水木しげるの鬼太郎夜話に近い。

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テーマ : スタジオジブリ作品
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『もののけ姫』 =宮崎駿回顧(8)=ネタバレ

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引退を発表した宮崎駿の過去作を回顧していく。


第八弾は、宮崎駿最大の力作



もののけ姫 (1997)


日本の中世(おそらく戦国時代)

大和朝廷との戦いに敗れたエミシの人々が隠れ住んだ山里。
もう500有余年が過ぎている。
カモシカに乗る少年アシタカの前にタタリ神が現れる。
それは悪疫にとりつかれた山の主の大猪ナゴの守。
村に向かうタタリ神の前に出てを鎮めようとするアシタカ。
王蟲を鎮めようとするナウシカのようだ。
しかし果たせず、矢を放ち大猪の目を射て仕留める。
大猪は死ぬ間際に怨念をこめて言う。

「汚らわしい人間どもめ、この憎しみと苦しみを知るがいい」


アシタカはタタリ神より右腕に疫病をもらってしまう。
やがて骨に達し死に至る病だ。

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テーマ : スタジオジブリ
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『風の谷のナウシカ』 =宮崎駿回顧(7)=ネタバレ

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引退を発表した宮崎駿の過去作を回顧していく。

第七弾は、劇場用映画第二作にて彼の生涯のテーマが色濃く出た


風の谷のナウシカ (1984)


毒の胞子が飛び交う滅びた村。
マスクをした辺境の老剣士ユパが通り過ぎる。

「また村がひとつ滅んだ」

ここで説明文が挿入される。

『巨大産業文明が崩壊してから1000年
錆とセラミック片におおわれた荒れた
大地に くさった海…腐海と
呼ばれる有毒の瘴気を発する菌類の
森がひろがり 衰退した人間の生存を
おびやかしていた』

そしてタイトルが出る。

「風の谷のナウシカ」

タイトルバックは、タペストリーの模様を模した絵。
その絵はラピュタと同じように人類の歴史を表している。
並行して町を焼き払う巨神兵のショットが挿入される。
タペストリーは人類の災厄を描きつつ最後に翼を持つ人の絵がアップとなる。

画面は一転し雲の海。
そこを推進力付きハングライダーとでも言うべきメーヴェで飛ぶ少女ナウシカ。
タペストリーの絵からこの少女が主人公だと観客は知る。
宮崎駿は、第二作を大好きな飛行シーンから語り始める。


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テーマ : スタジオジブリ
ジャンル : 映画

『となりのトトロ』 =宮崎駿回顧(6)=ネタバレ

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引退を発表した宮崎駿の過去作を回顧していく。

第六弾は、嫁さんと初めて見に行った映画(多分)


となりのトトロ(1988)


のどかな日本の田園風景の中を走る軽トラック。
引越しの荷物が満載された荷台。
勉強机の下の空間に学術書と文学全集に囲まれサツキとメイの姉妹がいる。
二人はキャラメルを食べたり、追い抜いた郵便配達人に手を振ったりして楽しそうだ。

トラックは陽だまりの中ボンネットバスとすれ違う。
薄暗いお稲荷さんの脇を抜け、水田を横目に走る。
小川にかかる石橋を渡り、雑木林のトンネルを抜け、家に着く。
日本家屋に洋間とテラスが増築してあるボロ屋だ。
雑草の生えた広い庭ではしゃぐ姉妹。
裏手には大楠木が小山のように盛り上がっている。
雨戸を開ける父親、駆け寄る姉妹。
部屋の中にドングリが落ちている。

いつまでも描写し続けたい誘惑に駆られるシーンが続く。

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テーマ : スタジオジブリ
ジャンル : 映画

『ルパン三世カリオストロの城』 =宮崎駿回顧(5)=ネタバレ

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引退を発表した宮崎駿の過去作を回顧していく。

第五弾は、劇場用長編映画監督第一作


ルパン三世カリオストロの城(1979)


国営カジノを襲い大金を背負って逃げるルパンと次元。
柵を飛び越えるひと跳びで10mぐらいの距離をジャンプ。
小型車(フィアット 500R)で札束に埋まって逃走。
それらが伝説的な偽札「ゴート札」と気付き高速道路にばらまく。

「次元、次の仕事は決まったぜ」

空に舞い上がった偽札が海に舞い落ちる。
ムーディなテーマソングが流れタイトルが出る。

「ルパン三世カリオストロの城」

ここまで2分少々、いつもながら見事なオープニング。
このアバンタイトルのジャンプアクションは、中盤のクライマックスにつながるもの。

ここでこの映画の世界に溶け込んだ観客は、この後現れるデフォルメされたアクションをすんなり受け入れる。
デビュー作とは思えない手練の技。


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テーマ : スタジオジブリ
ジャンル : 映画

『崖の上のポニョ』 =宮崎駿回顧(4)=ネタバレ

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引退を発表した宮崎駿の過去作を回顧していこうと思う。

第四弾は、『風立ちぬ』の前に作った


崖の上のポニョ (2008)



全編に渡って子供の絵本のような世界が展開する。

海の色に濃淡がなく、ぬるっとした感じ。
子供の描く絵のような風景が広がる。
そうこれは、子供(幼稚園児)視点の物語だ。
中盤のクライマックス、ポニョが宗介に会う為妹達と海上に飛び出すシーン。
宗介の父親の貨物船に波がかかる。
のっぺりした波や水滴のサイズがまるでオモチャの船に水をかけたように見える。
子供の水遊びのように見える。


これらは最近のCGアニメの対極にある世界。
色と光と影で実写のように表現するCGに対し、日本のアニメはあくまでも線画の塗り絵が基本。
この映画はその原点に回帰している。

その線で海の波を表現しようとしている。
CGに慣れた目には違和感があるが、少しするとそれは消える。
これはもしかすると技術的に非常に困難な試みではないか?

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テーマ : スタジオジブリ
ジャンル : 映画

『天空の城ラピュタ』 =宮崎駿回顧(3)=ネタバレ

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引退を発表した宮崎駿の過去作を回顧する。

第三弾は、私にとっての宮崎駿のベスト

天空の城ラピュタ (1986)


夜、空中海賊ドーラ一家が巨大飛行戦艦を襲う。
目当ては飛行石だ。
抵抗する黒眼鏡の一団を制圧。
飛行石を持つ少女シータに迫るが、逃げようとしたシータは飛行船から落下。
垂直に落下して夜の闇に消えていく。

ここでタイトル「天空の城ラピュタ」

テーマ曲とともにスタッフロールが出る。
その背景で、飛行機械の発達にからめて人類の歴史を語る。
この背景が抑えた色調で中世の銅版画のような味わいがあり中々良い。
さてそこで見せられるのはどうも我々の歴史とは少し違う。
飛行技術はどんどん進歩し、ついには城がまるごと中に浮く世界がやってくる。
飛行する城は、天罰のように嵐に逢い、カミナリに撃たれて墜落する。
落下した城から蟻のように人々が逃げ出す。
このあたりはフリューゲルが描いた『バベルの塔』を思わせる。
最後は原始的な風車の横に立つ少女(おそらくシータ)の絵に原作・脚本・監督 宮崎駿と出る。

ここまで5分半

何かが始まるという期待感でいっぱいになる。
極めて映画的ですばらしい導入部だ。

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テーマ : スタジオジブリ
ジャンル : 映画

プロフィール

spacecowboys A H

Author:spacecowboys A H
Space Cowboys は、2人の親父です
"A" システムエンジニア・
   中日ファン・世情に疎い
"H" 総務畑・てっちゃん・
   阪神ファン・雑学が得意
2人ともイーストウッド好きの還歴男

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