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コロナとゴジラ

AvatarA以前に紹介した「ゴジラにパニックは起こさない(2018.1.2)」での黒澤の言葉。
http://spacecowboys33.blog130.fc2.com/blog-entry-3346.html


「ゴジラで民衆が逃げる時、警官が先導してパニックを起こさない。
ゴジラが出たら警官も逃げちゃうから、先導者がいなくてパニックになるよ。
だからあれは嘘なんだ。
でもイノさん(本多猪四郎)の人柄がああいうシーンにさせたんだ。」


しかし現実にはコロナ対応で、最前線の医師や看護師が感染の恐怖を抑え込んで、医療活動に従事されている姿が報じられる。
我々はその職業倫理の高さに敬服するばかりだ。

この数十年で日本が黒澤的社会から本多的社会に進歩したのかな。
日本で感染爆発が起きていないのは、そんなところにも原因があるのかもしれない。
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テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

『独裁者』

AvatarA最近NHK-BSでは毎週チャップリンの映画を放映している。
1925年の『黄金狂時代』から始まって『殺人狂時代』『街の灯』『モダンタイムス』ときて今日は『独裁者』だった。
チャップリンの映画はいつも彼の芸の記録箱だが、『独裁者』の芸が一番質が高いんじゃないだろうか。
中でも素晴らしいのは、ユダヤ人の床屋のチャップリンがブラームスのハンガリー舞曲とシンクロしてひげを剃るシーンと、独裁者ヒンクルが地球儀と戯れるシーンだ。
地球儀のシーンは、独裁者の野望を馬鹿にする狙いだが、異様に美しく、それだけに不気味さが増すという名シーンに仕上がっている。
前に見てから20年以上経ってるけど、チャップリンの芸の素晴らしさは色あせてない。
そしてコメディの最後にかの有名な演説がくる。
独裁者の口からヒューマニズムあふれる言葉があふれ出る。
1940年というナチス全盛期によくあそこまでヒットラーをコケにしたものだ。

そういえば、中学の時、英語の授業でこの演説の英文が配られた気がするんだけど、おぼえてない?




学生用の英字新聞のAsahi Weeklyが頭に浮かんだんだけど、授業だったか自分で入手したのか定かでない。

テーマ : 昔の映画
ジャンル : 映画

ラストシーンの擦れ違い

AvatarAAmazonPrimeで「紅の拳銃」を観た。

何回も観た映画だけど、不自然な芝居と気障なセリフのオンパレードだけど、なぜか最後まで目が離せない。
笹森礼子は最近の手術で視力を取り戻した。
密かに恋している赤木圭一郎の声は知っているが顔は分からない。
列車の通路で2人はすれちがう。
赤木は危険な任務に向かうところなので声をかけない。
笹森も「もしかしたらこの人かしら」と思うけど、声をかけない。
ほろ苦い別れだ。
こういうすれ違いは印象に残る。

「時をかける少女」のラストも苦い。
未来人高柳良一は原田知世の記憶を消し未来に戻る。
彼の記憶も規則により消去されるので、
2人が再会しても分からない、と告げる。
高柳が好きになっている原田知世は
「私はきっと分かる」と言いながら気を失う。
数年後2人は再開するが全く気付かない。

「第三の男」のラストは苦いを越えて冷たい。
お人よしのジョセフ・コットンは、親友オーソン・ウェルズの
悪行を知り警察に協力してウェルズを追い詰め、射殺する。
ラストシーンは墓地でのウェルズの埋葬だ。
ウェルズの恋人アリダ・ヴァリが墓地の長い一直線の道路を歩いてくる。
ヴァリに惚れているコットンは、道路の脇で待つ。
落ち葉が舞い落ち、チターの旋律がセンチメンタルに流れる中、
ヴァリはまっすぐ手前に向かって歩いてくる。
そのままコットンに一顧だにせずフレームアウト。
睨んだり罵ったりするよりも救いのないラスト。



テーマ : 映画
ジャンル : 映画

コロナウィルスと「今夜、ロマンス劇場で」

5/16の夜、「今夜、ロマンス劇場で」が放映された。
白黒映画のヒロインの幽霊と映画監督を目指す青年との恋を描いたロマンスコメディーだ。

住む世界の違う二人は触れ合うことができない。触れると彼女は消滅してしまうからだ。
究極のプラトニックラブとも言えるものだ。

私はオッサン、いやジジィとしては気恥ずかしいが、こういう話は決して嫌いではない。

しかし、今これを放映するのには違和感を禁じ得ない。
コロナウィルスによって人と距離を取らなければならない状況にマッチしているという魂胆が見えるからだ。

お互いに行動が分かっている特定の男女が触れ合いを避ける必要はない。気分だけで妙な状況を受け入れるような空気を醸し出すのは止めてもらいたいもんだ。

AvatarA映画から人が現実世界に飛び出してくるという基本アイディアが同じなので、ウッディ・アレンの「カイロの紫のバラ」の二番煎じという先入観があり見てなかった映画。
そんなに悪くはなかった。
今これを放映することについてもHほど違和感はない。
ただプラトニックという設定の必要性はあまり感じなかった。

主要登場人物の役名が往年の監督・プロデューサーから拝借していて、映画ファンとしてはちょっと嬉しかったりする。

マキノ雅弘(チャンバラ映画の名監督)
成瀬巳喜夫(女性映画の巨匠)
俊道浩滋(東映やくざ映画のプロデューサー)
山中貞夫(戦前の伝説的名監督)
本多猪四郎(ゴジラの監督)

などなど

【A】そんなに悪くはなかった。
今これを放映することについてもHほど違和感はない。
ただプラトニックという設定の必要性はあまり感じなかった。

私も内容にはケチをつける気はない。
ただ、今放送するのはあざとさを感じるし、何かコロナに負けた気がするんだ。
生活全体に変容が必要なのはわかるけど。

テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

ジュラシックパークのオッペンハイマー

AvatarA「ジュラシックパーク」をテレビでやってたので観た。

何回も見ているが今回初めて気付いたことがある。

ジュラシックパークのセキュリティシステムを管理するSEネドリーは、一時的にパークを停電させ恐竜の胚を盗み出す。
これがきっかけとなり、事態は大ごとになる。
ネドリーは私欲のために周囲の人々を窮地に追い込む極悪人として描かれている。

今回気づいたのは、ネドリーのデスクに原爆の父オッペンハイマーの写真が飾ってあることだ。
ネドリーは自分の実力が十分に認められていないと不満を抱えている。
そしてその不満を解消するためには倫理を犯す事も厭わない人物だ。
原爆の作成者として名を残したかったオッペンハイマーと共通するところがある。
スピルバーグのオッペンハイマーへの評価が表れていると思う。

そしてそれは、世界初の恐竜パークを作ろうとする男たちへの批判でもある。

テーマ : 映画
ジャンル : 映画

スターウォ-ズと金剛力士像

AvatarANHKの「逆転人生」で証券マンから45歳でスターウォーズのCGモデラーに転身した成田昌隆の話を見た。

CGモデラーとは、宇宙船とかをCGでデザインする人のことだ。
アニメーターはこのCGモデルを動かしているのだ。

二つ印象的な話があった。

一つ目は「汚しのテクニック」
CGはいかに汚すかでリアリティが決まるようだ。
成田はプラモデルの全米チャンピオンで、船や飛行機を汚してリアルに見せる技術に長けている。
CGの宇宙船は普通に作ったそのままだとCGにしか見えない。
実際に使用した際に付くであろう汚れやキズをつけることで本物らしく見えるのだ。
黒澤映画のスタッフのインタビューを読むといつも出てくるのは、セットや衣装を汚す作業だ。
それが黒澤映画のリアリズムを生んでいたのだが、現代のCGにも通じるのは面白い。

二つ目は「本物以上」
成田は証券会社を辞めてハリウッドのスタジオやの就職を目指した。
作成した自分のCG作品を送ったがいずれも不採用。
有名なCGデザイナーに意見を求めると「あなたの作品には感動がない」と言われた。
「リアルだけでは観客は驚かない。観客の心を動かす何かが無いとダメだ。」
そんなことを言われてもどうしたら良いか分からない。
ある時成田は東大寺の金剛力士像を見て感銘を受ける。
金剛力士像は運慶快慶による鎌倉時代の傑作だ。
金剛力士像の筋肉は人間の筋肉とはかなり異なる。
ルネッサンスの彫刻などと比べるとその異様さが際立つ。
しかしこの異様さは迫力となって見るものに迫ってくる。
リアリズムを追求するだけでは表現できない何かがそこにある。
成田はCGで金剛力士像を作り、その迫力を表現した。
それをIMLに送ると採用となり、スターウォーズに参加することになったのだった。
そしてあの重厚感あふれるスターデストロイヤーを作り上げた。
黒澤の「本物よりも本物らしい」リアリズムに通じると思った。

テーマ : スター・ウォーズ
ジャンル : 映画

イムジン河 2

AvatarAイムジン河誕生のエピソードが、「パッチギ」の導入部と似通っていたので、「パッチギ」を見返した。
単なる「不良少年モノ」ではないことを改めて認識。

冒頭いきなり「原案 松山猛」と出た。
そして塩谷瞬演じる主人公の名前は松山康介。
朝鮮学校にサッカーの試合を申し込みに行き「イムジン河」を知るのはそのままだ。
松山はそこで知り合ったキョンジャ(沢尻エリカ)に恋をする。
日本人と朝鮮人の間の溝を感じながらも前に進む松山。
丸山公園での宴会で「イムジン河」をキョンジャと共演するなどして、少しずつ距離が近づいていく。

鴨川を歩いて渡り対岸でフルートの練習をしているキョンジャに告白。
キョンジャの答えが印象的だった。
「もしも、もしもよ、私とコーちゃんがずっと付き合って、結婚するってなったら、朝鮮人になれる?」
日本人の観客にはずんとくるセリフを沢尻エリカはさらりと言う。
松山の返答を待たず、画面はフェードアウト。

松山の親友のチェドキが交通事故で死ぬ。
お通夜に出た松山は、チェドキの叔父(笹野武史)から「帰れ」と言われる。
「俺たちが紙切れ一枚で朝鮮半島から連れてこられて、どんな苦労をしたかお前らはなんも知らんじゃないか。だから頼む、帰ってくれ」
松山はなにも言えず、出ていく。
キョンジャも言葉がない。
夜の鴨川を泣きながら渡って帰る。
日朝の溝を感じさせるシーン。
BGMで「悲しくてやりきれない」が流れる。

そのまま松山はラジオ局に行き、「勝ち抜きフォーク選手権」に出演し「イムジン河」を歌う。
ラジオから流れる松山の声を聴いたキョンジャ。
通夜の席に駆け込み「コーちゃんよ」と泣きながらポータブルラジオを掲げる。
「イムジン河」が流れる。
こわばった心が少し緩む瞬間だ。

プロローグ、大学生になり付き合いだした松山とキョンジャ。
ドライブに出かける2人、BGMは「あの素晴らしい愛をもう一度」。

クレジットタイトルが流れ、「音楽;加藤和彦」と出る。

この映画の沢尻エリカは輝いている。
特に通夜のシーン。
ラジオを掲げる姿は、「ノーマレイ」でサリーフィールドがUNIONと書いたボードを掲げるシーンを連想した。
あのシーンも感動的だった。

続きを読む

テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

悪ガキもののルーツ

AvatarAAmazonPrimeで「人生模様」(1952)を観た。
この映画の存在は知らなかったが、なんとなく気になって、無料ということもあり鑑賞した。
オー・ヘンリーの短編5編を原作としたオムニバス映画だった。

こんなラインナップだった。

「警官と賛美歌」監督:ヘンリー・コスター
「クラリオン・コール新聞」監督:ヘンリー・ハサウェイ
「最後の一葉」監督:ジーン・ネグレスコ
「赤い酋長の身代金」監督:ハワード・ホークス
「賢者の贈り物」監督:ヘンリー・キング

「最後の一葉」と「賢者の贈り物」の原作は有名で知っていたが、他は初めてだった。
「警官と賛美歌」にブレイク直前のマリリン・モンローがチョイ役で出ていたが、作中最も輝いていた。

さて今回取り上げたいのは「賢者の贈り物」だ。

田舎町にやってきた小悪党2人組が、地主の息子を誘拐して身代金を巻き上げようとする話。
この息子がとんでもない悪ガキで、野生のクマを怒らせたりするので、悪党たちが手を焼き、最後は地主に金を払って引き取ってもらう。

この「悪党が誘拐した子供にひどい目に合う」話はよくある。
ウルトラQの「育てよ!カメ」なんかもそうだし、「ホームアローン」もその末裔と言えるだろう。

そのルーツはオー・ヘンリーなんだね。


「育てよ!カメ」
http://spacecowboys33.blog130.fc2.com/blog-entry-2961.html

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

続 阪急文化の「東京物語」

AvatarA「阪急文化の『東京物語』」で取り上げた元町西口裏の階段の写真を撮ってきた。

記憶の中ではもっと狭苦しい感じだったが、意外に幅が広かった。

そういえば、震災前の神戸の路地の記憶は、くすんで狭い印象に彩られている。
実際にはそうでもないのかも。

元町駅1
元町駅2

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

阪急文化の「東京物語」

AvatarANHKのドラマ「心の傷を癒すということ」は神戸を舞台としていたので観た。
阪神震災直後の神戸で一人の精神科医がどう相対したかを描いている。

主人公の精神科医安和隆(柄本佑)が妻の安終子(尾野真千子)と出会うのが震災前(1981年)の阪急文化だった。
小津安二郎特集で「東京物語」と「秋刀魚の味」の2本立て。
「東京物語」で東山千栄子と原節子の会話のシーン。

いつまでも出征した息子をひとり待ち続ける嫁(原)を気遣う義母(東山)。
義母は再婚を勧める。
やんわり受け流す嫁。
義母「でもあんた、年取ってくるし、いつまでも一人じゃ寂しかろう」
嫁「xxxx」

ここで阪急電車の通過音で原節子のセリフが聞き取れない。

映画が終わり、尾野真千子が隣に座っていた柄本佑に原節子のセリフを尋ねる。
柄本佑も聴き取れなかった。
気になった二人は翌日も映画を見に行き再会する。
セリフはやはり電車音で聴き取れない。
そして二人は付き合いだす。

確かに阪急文化では電車の通過音がしてたよなあ。

柄本が尾野にプロポーズするのが、JR元町駅の西口の北側の階段だ。
高架と並行して走る道路の間にある階段だ。
東口から西口にかけて道路は急な上り坂になり、線路と同じぐらいまで上がっている。
その道路側から、道路→階段→元町駅ホームを見渡すカットは印象的だ。

阪急三宮駅の駅ビルにあった阪急文化は、駅ビルごと大破。
元町駅の階段は今も残っている。

阪急文化も元町駅の階段も神戸に育った僕らには懐かしい光景だ。
それらは記憶の中で色褪せず残っている。
その記憶の中の自分は若いままだ。


ところで聞き取れなかった原節子のセリフ「xxxx」だが、

「私、年を取らないことにしてるんです」

である。



【A】確かに阪急文化では電車の通過音がしてたよなあ。

阪急文化以外に阪急会館、阪急シネマとあって、神戸育ちには映画と電車の音はセットみたいなものだった。



【A】東口から西口にかけて道路は急な上り坂になり、線路と同じぐらいまで上がっている。
その道路側から、道路→階段→元町駅ホームを見渡すカットは印象的だ。

そうだね。
あのロケーションは我々には身近過ぎたけど結構ユニークで、あれが東京ならしょっちゅうドラマに出てくる山手線脇の坂道よりも有名になっただろうな。

テーマ : 映画館
ジャンル : 映画

プロフィール

spacecowboys A H

Author:spacecowboys A H
Space Cowboys は、2人の親父です
"A" システムエンジニア・
   中日ファン・世情に疎い
"H" 総務畑・てっちゃん・
   阪神ファン・雑学が得意
2人ともイーストウッド好きの還歴男

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